2010年09月17日 23時17分 | カテゴリー: 総合

全然見通せないけどなんだかスゴイ電子出版の世界

昨日は寒く、きょうはちょっと暑い。うちつづいた猛暑で弱ってるところだから、この程度の揺さぶりでも老骨には応える。

午前中は日本語教師ボランティアでそのあと会議が3時まで、と爺にしちゃ珍しい社会参加の日。教材は先週に引き続き、日本の白地図をつかって大雑把な名称 を教える。みな一級とってる達者な主婦たちなんだが、まるでヨワイ。九州と四国があべこべだったりするのはしょうがないが東京に10年もすんでいて山梨と千葉が反対じゃん。だが理解力は高いからすぐ、ざっと東日本、とくに関東あたりは覚えたようだ。これでニュース報道で地名に関して興味が湧けばこの授業は 正解なんだけど、多分、忘れちゃうか。ま、それはそれでいいんだ。自分に必要のない知識はいらないわけだし。

この白地図をダウンロードするときに「日本馬鹿地図」という本をみつけてその紹介にでていた、日本人の書いた日本地図だってひどいもんで、その中では一番 マシな中学生のやつを参考にもっていったんだが、宮城県の隣が仙台県だったり、大阪府と宮崎県があとかたもなかったし、北海道の根室と釧路が「十勝平野」 だったわさ。

昔豪州でキリスト教の布教にきた白人の若者二人に、逆に「おまえら、あの世のはなしもええけど、まずこの世界をしってるのか」と世界地図を書かせたら、 豪州をマルくかいて、次にイギリスをはなれたところにマルで書いて、さらにアメリカをマルくかいておしまい、だった。俺ともう一人いたのが中国人で、おれ たちの顔をみて自信なさそうにイギリスのとなりに中国をかき、アメリカのそばに日本をかいたっけ。

あれほどではないが、日本人もどんどん劣化がすすんでいるから、今日のわしの1時間の授業で、わが生徒の日本地理水準はまあ並程度においついた、とい えるのではないか、と自惚れる。

夜、友人がこの間書いたツーリングのブログを「本みたいなモノ」にしたのをpdfで送ってきた。うーむ、みごとなもんだ。週刊誌程度の編集を簡単に加えて 4時間でできた、という。新聞1pの編集にかかる時間とまあ似たようなもんだ。これが横書きだと「そのままアマゾンで電子本で売り出すことが出来る」という。

つまり素人が書いたブログが出版社経由せず、そのまま消費者にとどけられる、ということだ。 大変なことだねこれは。まさに革命的な。娘がつけている育児日記や、あるいはヘチマとゴーヤの育て方、なんてえのがデジタルカメラとブログで完成したら、 そのまま売りに出すことができちゃう。そんなのは売れない、って別に売るつもりはなくて誰かのお役に立てばそれでいいわけだし。

もっとまともな、例えば三友牧場の主や奥さんが書いたほんならネットでどんどん売れちゃうとおもうよ。中標津まで原稿を依頼に行ったり説得したりするのは 大変だが、彼らが自宅で日記をかいてそれがそのまま本になる、となれば読みたい人は相当数いるはずだ。つまりこれまで本を出す世界とは無縁の人たち、それも本当に大切なことを知っている人たちの智慧が万人のものに本としてなる道に通じているわけだ。

売れるかどうかを気にしてボーダイな編集会議なんかする必要ないし、本屋において貰うために営業部員が毎日日参する、なんてことも必要ない、ってわけだ。 しかし、主要な点は、誰でも自分が書いた小説や随筆、主張でもなんでも、出版社にコネなんかなくても出版したり、すぐできちゃうってことだろうな。つまりこれぞ「出版の自由」じゃないか。あとはむかしの村の市場や今のフリーマーケットのような形で「好きな人は買っておくれ」でいいわけだ。キラ星のごとき天才はいても伯楽がいなければ名馬無し。向田邦子、安倍穣二、寒川猫持を世に出したのは山本夏彦翁であった。この世には名馬も名伯楽もまだまだ隠れ住んでいるだろうて。

電子ブックにすぎないから紙の本はなくならない、というのは 本当だろうとはおもうけど、今でてるおよそ下らない本の恰好をした本とはよべないような屑情報誌のあり方はかわるのではないか。日本馬鹿地図なんてのはネットで募集してそのまま電子出版にしちゃえば本よりおもしろかろう。

また、いままで装幀とかデザインで食べていた業界の人はどうなっちゃうんだろう、とかおもうけど。それはそれで必要だからなくなりはしないが、そのシゴト は減るだろうな。あるいは「電子ブックの出版装幀ひきうけます」なんて道があるのかしら。 どうなるか全然予想もつかないが、出版業界の前方にナイアガラの滝みたいなのがごうごうと音を立てていることは間違い有るまい。信頼を失いつつある大マスコミとはまたちょっと違った意味で要注目だな。

夕方、暑くてコテンと寝てしまってゾーキングはお休み。暑いと途端にだめだなあ。やる気が無くなる。その分夜のビールを我慢してダイエットの努力に変える。 いい加減だなあ。ま、いいや。 体重72.4kg。ま、増えてはいない・・・な。

執筆者: Jun