つまりはストックですな。それを最近では「トレッキングポール」とかいうらしい。要するに「杖」ですわい。ついに杖を買う歳になったというわけです。

確か30年以上前に、ヒマラヤ一難しいと言われるナンガパルバットに登った二人組の登山家が、両手ストックで驚異的なスピードで登ったのがきっかけで登山界に広まったダブルストックがいまや、平地でおばあさんでもできる「ノルディック・ウォーキング」として世界中に普及したそうな。

 で、当然、もうヨレヨレのジジも、去年、一昨年、適当に通販で買った安いポールで奥多摩の低山歩きに使ってみたら、はなはだ使い勝手がよろしい。よろしいというか、これがなかったらもう山は歩けん。それぐらい登り下りとも楽ちんなんである。

 ただ、いい加減に安いのを買ったら、長さがどうも女性用だったせいか不足して登りはいいが下りはあまり役に立たない。使い勝手もギリギリまで伸ばそうとするとスポンと抜けるからイマイチよろしくない。で、新しいのを買うことにしてAmazonでしらべてみるとびっくり。安いのは確かに3000円ぐらいなんだが、お高いのは1万円が最低で、3万円なんてのもあるでないの。この手のもので銘柄品と言えば「Leki」だが、なんと安くても13000円ぐらいする。

 要するにただのアルミのポールのつなぎ合わせだから、「強度」とかいうても接合部分の作り以外に、そんなに違わない。なのに、この値段の差はなんだと、こないだ新宿に実際に見に行ってみた。で、いろいろみてるうちに納得した。

 要するに長さ調節の機構。従来のやつはネジるわけだが、最近のはバヨネットになっていてワンタッチで長さを変えられるんだね。そして材質も軽量のカーボン素材になると高くなる。さらに一番高いのは、ヌンチャクのように紐で繋がっていて、エイや!とひっぱるとたちまち一本になってくれる。リリースボタンを押すといっぱつでバラバラになる。こうなると2万円以上する。

 うーむ。これは・・・確かに、本格的な山なら、時間は貴重だし、重さも軽いほうがいい。長さも短い方がパッキングは断然楽だから、難しい山に行く人にはそれだけの費用をかけてもその値打ちがあるんだろうな。しかし、こっちは爺さんがヨタヨタと高尾山の裏あたりでハイキングするわけだからねえ…この値段はちょっと出せない。

 で、踏ん切りがつかず、そのまま時々、ネットを見てたら、やっとフツーのごく当たり前のLekiで6000円というのがあった。なんの変哲もないネジ式で長さを調節する昔ながらのやつ。これなら、安い中国製らしいポールの倍ぐらいの値段だし、分相応というものだ。

誤算だったのは、道の草花をいためたりしないようにつけるゴムキャップ。高いけど、しかたない。900円で注文したら一個しかとどかない。片方だけあってもしょうがないから、仕方なく、もひとつ買ったw。(暴利ですな、こりゃ)。結局、合計すると8000円と、相当お高い杖になっちまった。が、まあ、ワンタッチ式だと最低でも12000円とかするから、これでも経済経済、と無理に納得する。

 ワンタッチは便利だが、低山歩きなら、別にクルクルポールを回して長さを調節する数分間なんてのは、むしろ一休みできて年寄り徘徊にはいいぐらいだ。さて、これを試しに近々、陣馬山にでもいってみるとしよう。(写真は、赤い方が短すぎた安いポール。130cmは必要。これは110cmしかないw)
20161120-tpl.jpg