2016年12月03日 10時48分 | カテゴリー: 総合

なんとかかんとか陣馬ー高尾縦走成功

どうにかやっと陣馬山から、高尾山下山までの尾根ルートハイキングが4度目の挑戦でできた。そのデータから色々見えてきて楽しいわ。

まず、ネットとか地図の案内にある平均時間と自分を比較してみると。

⭐️案内書;(陣馬山〜高尾山コース)総歩行距離、約18.5㎞
目安登山時間、6時間30分※休憩時間入れず

陣馬高原下バス停〜陣馬山山頂 4.4㎞ 80分

⚫️オラのタイム… 2時間。120分。… 5割増し


陣馬山〜明王峠〜景信山 5.6㎞ 140分

⚫️オラのタイム…10時〜12時15分ぐらい。135分。フツーだな、


景信山〜小仏峠〜小仏城山〜一丁平〜高尾山〜一号路〜高尾山口駅 8.5㎞ 170分

⚫️オラのタイム…1時〜4時50分 230分ぐらい。休憩時間が、30分ぐらいあったから、200分ぐらい。 30分余計にかかってるかな。
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 このコースは、最初のバス停終点から陣場山(857m)まで4.4㎞。多分、400mぐらいの登りだろう。これでもうバテバテになって、「もうアカン」状態だった。

一つには前の晩、早く寝ようと思って読み始めた物理学者ダイソンの「宇宙をかき乱すべきか」が面白すぎて、結局朝まで読み続けてしまうという登山前日にあるまじき睡眠不足もあるんだが、まいったね。

 フツーの舗装された坂道を上がれないんだから。何度もバイクで走ってる道なんだけど、100歩歩いてハアハア、また50歩歩いてフウフウ。バス停で一緒に降りた同年輩の小柄なおじさんがスタスタ先を行く。10分で200mの差をつけられ、15分後にはその姿を見失ったのは情けない。あの爺さんは忍者かなんかだろう。

 で、和田峠を経て、陣馬の頂上までかかった時間が2時間。もう引き返したほうがええぐらいのタイム。ただ、天気がものすごくよくて、360度展望に富士山ばっちり。「ここでのんびり半日過ごして帰ってもええがな」とコーヒー飲んでタバコを吸うて考えた。

 もともと平地ウォーキングと山登りでは使う筋肉がまるで違う。で、この「ハアハアフウフウ」は普段、全く鍛えてないお尻の筋肉とか、ももをあげるのを支えるために骨盤から腿の両側に走ってる筋肉ばかり使うのだ。平地を歩く「足を前に送る」筋肉とは違う。

しかし、同時に、「ということは、あの山手線一周出来たフツーの歩く筋肉は、全然、使ってないんじゃないか」と気がつく。陣馬山857mから、景信山727m、小仏峠676m、高尾山600m だから、あとはもう大した登りはない尾根道なのである。

 そこで10時から気を取り直して、縦走を始めたが、なるほどほとんど平らなんでスイスイ歩ける。登りでウォーミングアップになってることもあって、歩行筋は全然疲れてないどころか絶好調だね。それが、アップにかかると「登山筋」の仕事になり、途端にダメダメになるが、そのダメになり方が劇的で、筋肉の役割がはっきり自覚できる。要するに、もうお尻の筋肉とか無く、腰から下はおそらく割り箸みたいな形なんだろうねえ。…そういえば、ジムにそんな爺さんのきたねえ尻をようみかけるなあ。自分のは見えんがね。ああいう、老婆のおっぱいみたいな尻になっとるにちがいないw。

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 山で使う筋肉は、普段のトレーニングでは鍛えられない、というのは誰かがブログで書いていた。お尻と腿を鍛えたいとスクワットとかやっても、「瞬発力」とか「重たいものを持ち上げる」力にはなるが、「持続力」にはならないから、タイムが上がらないとか。その結論は「山登りの筋力は山登りによってしか作れない」だった。

 だから、そういう情けない部分は道具で補った。

 この日履いて行ったのは、山手線一周と同じウォーキングシューズ。こいつは中敷きだけで2万円以上もだした、多分、人生最後の高価な靴なんだが、シューフィッターが「あんたの足は骨が中に向かってつぶれているから中敷きで補強してやらないと」と言われたんで、しょうがなくて作ったもの。確かにこれで山手線も陣馬ー高尾も楽に歩けたから入れ歯みたいなもんで、効果はあるんだな。

 それと、「LEKI」のポール。これで背筋力不足で体が左右に触れるのを防げたのも大きいね。靴とポールがないととても無理。格好よくすごい速さで、ポールとか無しで歩く爺さんたちもいることはいるんだが、あれは始終、こういう登山をやってる人たち。

 次に、ポールをつかってもやたら早いのもいて、これはお尻も背中も「ポールがあってもぶれない」のが見ていてもわかる。つまりポールは完全にバランスの補助であって、こちとらのような「足の力がないから腕の力を補助に使う」「よろけそうになるので四つ足で防ぐ」のとは目的が全く違うのであるな。

 そして、もう近所に買い物に行くように、山道も平らな道も同じペースでペタペタスタスタと滑るように歩いてはるワシより高齢のご婦人たち。これはジムのヨガでペタンと開脚できたりする70歳~80歳の老婦人たちの山オンナ版で、年季が違うのであるから、対抗しようなどと思わないほうが賢明。

 あとは、さっそうたる山ガールとか、トレランの人たちがいるが、もう研究対象外の目の保養。トレランで一番、カッコよかったのは60歳ぐらいの、腹回りなんざアシナガバチのように引き締まった爺さんだったが、悔しいから見ないふりをするw。

 むろん、ワシ同様、ヨタヨタで、顔をあげるのもやっとみたいなおっさん、爺さんもちゃんといる。そういう爺さんたちの半分はもう「こんちわ」と声をかけても返事もしない偏屈タイプ。残り半分は「お互い、歳とると、たいへんですなあ」とトレーニング目的同士で、ニヤッと笑ってご挨拶。
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  高尾山ケーブル口到着が5時10分前。朝7時25分スタートだから、かかった時間は、今日今頃山手線を歩いている一周41kmと全く同じ時間。こっちの歩行距離は20km。山は倍の時間がかかるってことか。でも、歩行運動としてはやはり山のほうが、いろいろな筋肉を使って、一歩一歩足の置き場を考えて…とかで、単調じゃないから、自分にはこっちのほうが面白い。

 京王高尾の駅にはなんとスーパー銭湯ができてて、1000円で入れる。ビールが飲める食堂もある。昔とえらい変わったな。あの銭湯でビールを飲むのを楽しみに、高尾山をトレーニング場と考えて、下から登って、降ってビールを飲んで帰って来る、というのがいいかもしれない。だいたい、1シーズン3度ぐらい低山をウロウロすると結構、体が慣れてくるもんだ。ま、そのあと暑くなるとやめてしまうから、毎年この繰り返しなんだけど。

 さて、今日は、道具のお手入れと修理。リックのベルトがこわれてたり、スパッツの紐が切れてたり、ポールは乾かせとかいうとるし、靴は磨いておこう。そいうのをサボってたバイク用の革ジーパンは、カビのお化けになってしもとったからな。自分の身体もお手入れせんとこうなるよ、という神のお告げかもしれんしな。いや、爺さん修行もなかなかであるわい。
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執筆者: Jun