JOURNAL SKIN
by : DIGIHOUND L.L.C.
〒658-0001
Higashinada, Kobe, Hyogo JAPAN
2024 そして葉桜の頃
桃源郷は慈眼寺からはじまる
桜と菜の花と桃の極彩色
境内を流れる川にしだれ桜
遺品を預け岩殿山を目指した勝頼の心や如何に
慈眼寺をあとに小山城に向かう
桜の白さは青空に映える
ほのかな虹に 身を染めて
今日を盛りの 花すがた
この光景はほかの何処にもあり得ない
この春のとき そまるしあわせ
花影
城址ゆえの土塁に囲まれた地形
土塁のうえの青空と純白無垢の桜
花びら色に ふたり染まって
はしゃいで歩いてきたけれど
さくらの径の 尽きるあたりが もう見えてきて。。
土塁を越えて城外へ降る路
城外は畑地に囲まれ 古墳がある
畑から見た小山城址の桜
子供の頃の記憶 東山梨郡八幡村 霞森山の桜
八幡村から西保へ至る霞森山沿いの路に花を添える
軽トラで通りがかりの八嶽山神社
古戦場となった夕狩沢由来の重厚な石碑に咲く
自宅にもっとも近い公民館の桜には敬意をかんずる
隣村にある神社の桜 子供のいない遊具の哀しさ
山桜はどこか風格が違う より自然の佇まいか
遠望の山桜の公園 春の山里は吉野山を想う
幼稚園の桜には遊具がにあう
墓所の桜 桜が語るものがある
咲くのがおそかった分長く咲いてくれた
愛でる人によって華やぐ桜花
人気の少なくなった小山城址
異次元空間に誰もいない この刻にひたる
飛行機雲 桜の直前に亡くなったパイロットの友を想う
見上げる空に この上を行った日
80半ばの兄夫婦 桜は何か格式を感ずる
散る花びらに 一面雪のようになる
ゆかしき君の みすがたに
ここはいつも見せに来る
哀惜の四月末の夜から もう四年目
この花を見ず急逝した義兄の優しさ
また来る春もあるものを
ふたたび逢えん由もなし
いつしか輝きを失い 夕暮れが迫ってくる
誰ぞバイクが、、自分のバイクだった
なぜかこの時刻に再び艶やかさをます花の心
窓から見える桜並木も いつか気付けば 花は葉に
西のかどの東屋
土塁の外周の径も花吹雪
暮れかかる 小山城址
また来年 ここに来る日を
城址近くの介護施設の小山荘に明かりが灯る
人手不足のなか どうか頑張ってほしい
暮れなずむ 小山城址を後にする
季節はめぐり また来る春を
今年の桜のおわりは蜂城山の山桜 今年も神のご加護を
( Fin )
執筆者: kazama
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